久々の乗船(満澤 巨彦編)

久しぶりにJAMSTECの調査船<新青丸>に乗船なさった満澤氏。南海トラフに設置されている地震や津波などの観測機器の整備が目的の航海だったそうです。水深4500mまで潜ることができる無人探査機による海底に設置してある機器<ハイパードルフィン>の整備が目的です。 「私の乗船は8日ほどだったのですが、2年ぶり、さらに春先の天候の変化が激しかったこともあり、最初の2~3日ぐらいは船酔いで辛い中、船上でいろいろな作業をすることになりました。何回乗っても間が空くと最初は船酔いの克服からです。<新青丸>は約1600t、海洋調査船としては中型の船なのですが、それなりに良く揺れます。」満澤氏の船酔いの克服法は、酔い止め薬は飲まず、ひたすら耐えるというやりかた。横になるとなかなか慣れないので、横になるのはできるだけ我慢して座ったり動いたりして過ごす。この時が一番つらく、最初の日は、ほとんど食事もとれずお酒も飲まず、風呂も入らずに、夜まで我慢して起きていて早めに就寝。すると翌日は少し良くなり、軽く食事ができるようになり、徐々に回復して3日目ぐらいには食事も普通にとれるようになるそう。だいたいこのパータンで船酔いを克服しているとおっしゃっていました。 さて、今回は調査研究というより<ハイパードルフィン>を使った海底の作業が主で、海底で作業するためにその道具立てを準備するのが船上での仕事。<ハイパードルフィン>のTVカメラで見ながらマニピュレーターと呼ばれる遠隔操作用のマジックハンドで、水中重量が100kg程度の…

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能の楽しみ方・学び方〜羽衣(中西 紗織編)

今年度は「能の楽しみ方、学び方」という新たなテーマ。 能《羽衣》 作者不詳 登場人物  シテ:天女 ワキ:漁師白龍 ワキツレ:白龍の仲間の漁師 場所    駿河の国 三保の松原(現在の静岡県静岡市清水区三保)       *「富士山世界文化遺産構成資産」(ユネスコ世界遺産2013年登録)の一つ 季節    三月    曲柄   三番目 作り物   松の木 松の枝に美しい衣(長絹という装束)がかけてある ストーリーはいたってシンプル。ある春の日の朝、漁を終えた漁師たちが海辺に来ると、松の枝にこの世のものとは思えない美しい衣がかけてある。そこで、一人の漁師が持ち帰ろうとすると、天女が呼び止め、その羽衣がないと天に帰れないので返してほしいと訴えます。天女は羽衣を松にかけて水浴びをしていたのでした。漁師は羽衣を返すかわりに、かの有名な天人の舞を見せてくれと頼みます。天女は羽衣をまとって舞を舞い、人間界に宝を降らして、富士山の上空彼方の、天上界へ飛び去っていくのでした。 舞台となる三保の松原と富士山を望む一帯はユネスコの世界遺産に登録されています。天女がなぜここに降りてきたかというと、富士山をのぞむ松原の春の風景があまりにも美しかったからでしょう。 ・注目点1:羽衣って何?能では、長絹は絹の単衣の薄物、絽とか紗という織物でできた上着のようにまとう着物のこと。ところが、乙姫様や織姫様が背中のあたりにフワッとまとっている布(披帛)をイメージしている方が多い。 ・注目点2:〇なうそ…

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サウナを大いに語る!!(清水 博之編)

近年のサウナブーム。ブームで終わるかとも思いましたが、年齢、性別を問わず愛好者が非常に増えました。 ブームが広がった要因の一つが、<サ道>というドラマの影響。2019年からシリーズ放送、その後も単発で放送が続いているそうです。この中で最も浸透したのは、サウナで得られる感覚を表現した「ととのう」という言葉。要は気持ちの良さを表現しています。「ドラマでは、主人公たちがサウナに入った後に座って体を休めていると、視界がぼやけてきたり、曼荼羅のようなカラフルな背景が出てきたりして<ととのった>というシーンが有名です。」 サウナの入り方は人それぞれ。一般的なのは、サウナ室、水風呂、外気浴を順番に繰り返す入り方。体を十分に熱した後に、冷たい水で全身を冷やし、外気に体をあてて休憩するサイクルです。これを3セットするのが基本。熱さ、冷たさを交互に繰り返すので<温冷交代浴>と表現することもあるそうです。 「なかなか表現が難しいのですが・・・熱さと冷たさで体には負荷がかかるのですが、体は負荷から自身を守るためにアドレナリンという物質を出して体を興奮させます。血流は巡り、神経は敏感になっているのですが、その状態で休憩に入ると、内部は興奮していていますが、体の表面はリラックスしているという状態になり、これが<ととのう>状態と言われています。敏感だけど落ち着いているという感じ。」浮遊感や幸福感を感じたり、心が穏やかになったり、という声も。実は清水氏も一度、浮遊感を感じたことがあり、まあ、とにかく気持ちがよいと・・。…

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