2025.0418O.A 「考古学に足を踏み入れたのは・・・」

小田島賢さん(厚岸町海事記念館 学芸員) 大学に入るまで考古学というものがよくわからず、高校生時代は世界史に興味があり、特に西洋と東洋との人の往来があるトルコ史に強く惹かれていたと小田島氏。 「今、思い返すと、人とのつながりや人間の営みというものが特に興味があったので、考古学を今専門分野にしているのはある意味自然な流れなのかもしれません。」 大学2年になる頃、友人から考古学研究会サークルに誘われ、夏に倶知安町で遺跡の発掘調査があることを知り、参加。発掘調査は、大学の先生や先輩、同級生と1週間宿に寝泊まりで行うもので、半ば修学旅行のような気持ちで行かれたそうですが、結果的にこの発掘調査で考古学に興味をもつこととなったそうです。 大学を卒業後、別の大学院へ進学してから、より考古学の深さに気づくことになったとおっしゃっていました。「本来は、分布論という手法で遺跡から出土した遺物の広がりを知ることで、当時の社会構造が理解できるだろうと考えていたので、それで修士論文を書きたいと思っていましたが、大学院の先生から私は基礎的な土器の研究が出来ていないということから、そのとき院で掘っていた続縄文時代の遺跡の土器と向き合うこととなるのです。」その遺跡と隣の遺跡の土器が修士論文の題材になったそう。「土器のかけらひとつひとつを観察して図面におこすことで、当時の人にとって規範となるイメージの土器があったものの、それぞれの土器には微妙な違いがあり、その背後にある土器を作った人たちが垣間見ることができます。」 …

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2025.0411O.A 「縄文時代のイルカの骨」

澤田恭平さん(釧路市立博物館 学芸員) 以前、新聞に縄文時代の釧路について、日大の研究グループが調査したという記事が載っていました。 研究論文に澤田学芸員も共著として参加なさったとのことでお話しを伺いました。 日大の研究グループ、釧路市内の遺跡から出土したイルカの骨のDNA解析。でもなぜ釧路だったのでしょう?日本沿岸で先史時代のイルカ等、海棲哺乳類の骨が大量に出土していることに着目し、大規模な捕鯨遺跡で、寒冷地でDNAが残っていることが期待できたからという理由だそうです。 実際には、釧路市の東釧路貝塚(縄文前期~中期)と幣舞遺跡(縄文晩期~続縄文)3地域6地点の遺跡を調査なさったそうです。 この釧路の2遺跡ではカマイルカとイシイルカ、ネズミイルカの3種類が確認されたのです。2つの遺跡は地理的にほぼ同じ場所に位置するのですが、特にカマイルカは遺伝的に大きく異なることがわかったそうです。 東釧路貝塚でのイルカ漁は約4200年前に一度終わり、幣舞遺跡の場所で再開するまでの約1000年。 再開時には鯨の種類が遺伝的に異なるグループに入れ替わっていたということが判明。「おそらく気候変動で、イルカや他の魚介類が取れなくなり、人はやむを得ず東釧路貝塚を放棄しなければならなくなったのかも・・」と。そこには<4200年前イベント>と言われる世界規模で起こった急速な寒冷化が影響した可能性もあり、釧路も大きな影響があったのかもしれません。 この時のイルカの骨を含め、道東の土器等が一堂に見ることができ…

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2025.0404O.A 「気をつけて〜春の風」

沼田博光さん(ドキュメンタリー映画監督・HTB在籍) 「今回は春の強風についてのお話しです。」とおっしゃったのですが、私の頭の中は?ということで今回も徒然なるままに色々と伺っています。 実は気象予報士の資格をお持ちの沼田氏。存じ上げずに大変失礼いたしました。初期の段階で受験なさったそうです。というのも、一時期報道から離れた時があり、どうしても報道に戻りたくて、気象予報士の資格を持ったら災害等でも役立てるのでは?という動機で受験なさったとか。 当時は年に数回の試験があり、4回目で合格なさったとおっしゃっていました。とても難しかったそうです。無事というか、合格前に報道に戻ることになり、落ちたままも悔しいので、再度受験し、合格なさったそう。 さて、3月に入り春の嵐が北海道内吹き荒れました。釧路は結構な雪も降ったのですが、1週間ほどでほぼとけた感じでしたが、札幌はまだまだ・・・。もちろん場所にもよるのでしょうが。沼田氏のお住いの住宅地も毎年排雪が必要な場所。ところが、今年は人員不足もあり、いつもお願いしていた業者さんにお願いすることが出来なくなり、別のところに依頼したところ、とても値段が高い。仕方がないので、いつもは2箇所お願いすることを1箇所にせざるをえない状態になってしまいました。 ということは、道路にはシャーベット状態の雪がたくさん残ることになり、つまりは排水溝を探し出し掘り起こすことに・・・ そこからが春の嵐のお話しにつながるのですが、続きはぜひO.Aをチェックしてくださいね〜 …

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