以前、新聞に縄文時代の釧路について、日大の研究グループが調査したという記事が載っていました。
研究論文に澤田学芸員も共著として参加なさったとのことでお話しを伺いました。
日大の研究グループ、釧路市内の遺跡から出土したイルカの骨のDNA解析。でもなぜ釧路だったのでしょう?日本沿岸で先史時代のイルカ等、海棲哺乳類の骨が大量に出土していることに着目し、大規模な捕鯨遺跡で、寒冷地でDNAが残っていることが期待できたからという理由だそうです。
実際には、釧路市の東釧路貝塚(縄文前期~中期)と幣舞遺跡(縄文晩期~続縄文)3地域6地点の遺跡を調査なさったそうです。
この釧路の2遺跡ではカマイルカとイシイルカ、ネズミイルカの3種類が確認されたのです。2つの遺跡は地理的にほぼ同じ場所に位置するのですが、特にカマイルカは遺伝的に大きく異なることがわかったそうです。
東釧路貝塚でのイルカ漁は約4200年前に一度終わり、幣舞遺跡の場所で再開するまでの約1000年。
再開時には鯨の種類が遺伝的に異なるグループに入れ替わっていたということが判明。「おそらく気候変動で、イルカや他の魚介類が取れなくなり、人はやむを得ず東釧路貝塚を放棄しなければならなくなったのかも・・」と。そこには<4200年前イベント>と言われる世界規模で起こった急速な寒冷化が影響した可能性もあり、釧路も大きな影響があったのかもしれません。
この時のイルカの骨を含め、道東の土器等が一堂に見ることができる企画展、ぜひチェックを!
(道東考古〜縄文の世界〜は 6/29まで釧路市立博物館で開催中です。)







