
「医療も複雑になり、大きな病院ほど待ち時間が多く、書類なども複雑で手続きが煩雑、とよく言われます。」と森田氏。今回は、ひとりひとりの情報把握・入院前の課題の調整などを効率化するお話し。
患者サポートセンターについて。ここは、入院する前の準備や退院後の生活復帰をスムーズにするための<入退院を管理する>センター。こちらが2月の下旬から動き出しました。それまでは、入院が決まった時に各外来や入院受付、退院後の施設や訪問サポートなど、個別に連携室で多職種が関わっていたそうです。他の病院でもそれぞれ細かなやり方や名称は違うそうですが、各々病院ごとになさっているそう。
サポートセンターはたくさんの職種の方が集まっているとのこと。各外来の医師や麻酔科の医師の入院指示に引き続き、看護師・薬剤師・社会福祉士・精神福祉士・栄養士・リハビリ担当者などがサポート。サポート業務を取りまとめている看護師の役割が大きく、人数も多くなるとおっしゃっていました。
では、実際の業務はどんな感じなのでしょう? 入院前は仕事・生活や家族状況の把握、内服薬、アレルギーのチェック(薬だけでなく食べ物やアルコール・環境)、キーパーソンや家族と共に入院が決まった段階で面談して準備し、治療に影響がある点は治療チームと協議しておくそうです。また、退院後に介護や支援が必要な可能性を早めに調べて退院をスムーズに出来るよう入院前からサポート。
さらに、病床の診療科間調整や病状に合わせた入院病棟を決める<ベッドコントロール機能>も持つそうです。
新しい病院では、家族やキーパーソンが一緒に面談できる場所を複数用意してプライバシーを確保し、多職種がまとまって仕事をするための場所がメインの受付の横に<サポートセンター>として新設。緊急入院も含めて入院ベッドの確保状況を管理するセンターとして機能するとおっしゃっていました。
今は仮住まい的なサポートセンターですが、新しい病院になると、入院の時の頼りになる存在が前面に出てきてくれる感じです。
例えば、化学療法やカテーテル治療、内視鏡治療や手術など入院が必要になる事が決まった時点で、薬の確認や一時中止、飲み合わせの対策や病院食の変更等がより確実に出来る。そして、それまで外来ごとに行っていた生活のサポート相談や退院後の療養(養育施設や産後のサポート、回復期施設へのリハビリの引き継ぎ、老健施設手配)などにが事前に取り組みを開始出来るとのこと。ですから働くスタッフ側も早い段階で準備の時間ができるとおっしゃっていました。
今後は、生活保護や支援が必要な小児・養育対応、一人暮らしの方へのサポート、精神福祉的な対応等を含め、まず社会福祉士のスタッフの増員を進め、新病院の稼働時に100%移行を目指していきたいと語っていただきました。