
近年のサウナブーム。ブームで終わるかとも思いましたが、年齢、性別を問わず愛好者が非常に増えました。
ブームが広がった要因の一つが、<サ道>というドラマの影響。2019年からシリーズ放送、その後も単発で放送が続いているそうです。この中で最も浸透したのは、サウナで得られる感覚を表現した「ととのう」という言葉。要は気持ちの良さを表現しています。「ドラマでは、主人公たちがサウナに入った後に座って体を休めていると、視界がぼやけてきたり、曼荼羅のようなカラフルな背景が出てきたりして<ととのった>というシーンが有名です。」
サウナの入り方は人それぞれ。一般的なのは、サウナ室、水風呂、外気浴を順番に繰り返す入り方。体を十分に熱した後に、冷たい水で全身を冷やし、外気に体をあてて休憩するサイクルです。これを3セットするのが基本。熱さ、冷たさを交互に繰り返すので<温冷交代浴>と表現することもあるそうです。
「なかなか表現が難しいのですが・・・熱さと冷たさで体には負荷がかかるのですが、体は負荷から自身を守るためにアドレナリンという物質を出して体を興奮させます。血流は巡り、神経は敏感になっているのですが、その状態で休憩に入ると、内部は興奮していていますが、体の表面はリラックスしているという状態になり、これが<ととのう>状態と言われています。敏感だけど落ち着いているという感じ。」浮遊感や幸福感を感じたり、心が穏やかになったり、という声も。実は清水氏も一度、浮遊感を感じたことがあり、まあ、とにかく気持ちがよいと・・。疲れは取れ、食欲もわき、よく眠れるとおっしゃっていました。
「この気持ちの良さが、その日の体調や入り方、設備の状態で変わる所がサウナの最大の魅力。施設によっていろんな工夫をしてますし、サウナーのこだわりがあったりして、色々ウンチクがでてくるんでしょうね。よく話題になるのは、サウナ室の熱さ、湿度、蒸気だったり、水風呂の冷たさなど。体の芯までじっくり熱して、体の表面をきちんと冷やすのにいろいろ愛好者のやり方があるのです。入る時間だったり、何回繰り返すかだったり。」
清水氏のサウナ歴は5~6年ほど。ととのうために大事にしていることは、休憩の環境。休憩はリラックスできる環境が大事。体を休ませる椅子にこだわる方もいらっしゃるそう。清水氏は音。できるだけ静かで、加えて、風の音や鳥の声など自然を感じる空間が最高と。「道東は、森の中や湿原の前で休憩できる施設もあってわくわくします。自然の音とは違いますが、目の前をSLが走る休憩スペースもあるんです。今季のSL運行は先月で終わりましたが、JRの列車が走るシーンは味わえます。さらに、休憩スペースへの動線も大切。体を十分に熱したら、そのままの熱さのまま、水風呂に入りたいですし、水風呂に入って表面を冷やしたら、体をよく拭いてなるべく早く、椅子に座りたいところです。これが間延びしてしまうと、ととのいづらくなる気がします。」
また、サウナにはテント型のサウナもあるそう。好きなところにテントを張って、ストーブを焚く。これだと外気浴の環境も自分の好きな所が選べるということなのです。水風呂は簡易プールだったり、シャワーだったり、時には川や湖、海で体を冷やしたりも・・・。最近はサウナテントを使ったサウナイベントがあちこちで開かれているとおっしゃっていました。