ノロウイルスのこと(中嶋 均編)

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今回はノロウイルスのこと・・・研修会があり、ノロウイルスの認識がだいぶ変わってきたということでお話しいただきました。
「今までノロの原因は牡蠣だと・・・結構牡蠣が悪者にされてきたんですよ。でもそれがだいぶ変わってきたみたいで一安心です。」
実は食中毒で去年のデータを見ると、全道での原因の一位はアニサキスだそうです。62件あり、患者数が67。ノロウイルスは11件あり、患者数が475件。
それだけ感染力が強いということなのでしょう。さらにノロウイルスは、乾燥や冷凍にも耐えるそうで、加熱するのが良いとのこと。
国立感染症研究所の資料では、ノロウイルス(Norovirus)は、電子顕微鏡で観察さ れる形態学的分類でSRSV(小型球形ウイルス)、あるいはノーウォーク様ウイルス“Norwalk-like viruses”という属名で呼ばれてきたウイルス。2002年の夏、国際ウイルス命名委員会によってノロウイルスという正式名称が決定され、世界 で統一されて用いられるようになったとありました。
過去のノロウイルス食中毒の調査結果では、食品から直接ウイルスを検出することは難しく、食中毒事例のうちでも約7割では原因食品が特定できていないそう。ウイルスに感染した食品取扱者を介して食品が汚染されたことが原因となっているケースが多く、結果、原因食品が特定できない要因となっているそうです。
そのほかの原因としては、ノロウイルスに汚染された二枚貝。二枚貝は大量の海水を取り込み、プランクトンなどのエサを体内に残し、出水管から排水。海水中のウイルスも同様のメカニズムで取り込まれ、体内で濃縮されるためと考えられています。ただ、現在は、疑いが出そうな時の海水や貝そのものもチェックしているので、まずは安心だと中嶋氏はおっしゃっていました。