
簡単にいうと、自分で山を登って滑るのが山スキー。普通スキーをするのはスキー場のゲレンデ。ゲレンデだとリフトやゴンドラがあり、自分で登る必要はありません。ゲレンデは、スキーがしやすいように雪上車が通って踏み固めてあり、圧雪した斜面になっています。
「山スキーは、自分の足で登るので、好きなところを滑れるというのが魅力です。その最大の魅力は深い新雪を滑ること。ふわふわのパウダースノーをすべるのはとても楽しいんです。雪の中を浮いたり沈んだり、体全体で泳いでいるような感覚が味わえます。」もちろん滑る技術は必要ですが、本当にいい雪だと、それほど難しくなく、スキーがうまくなったような気がするくらいと。この新雪を味わいたくて山に登るというわけ。
では、山スキーをするには、どうすれば良いのでしょう?最も単純なのはスキーを担いで登ること。ただ、靴で登ると深い雪だと足が潜ってしまって進むのが大変。そこで山スキー用の道具が作られているそう。普通のスキーとの最大の違いは、山スキーの板は、登るときは靴のかかとが上がるようになっていること。スキー板の下側の滑る面、滑走面には、シールと呼ばれる滑り止めの帯を取り付けるそう。前には滑りますが、後ろには下がらないようになっているそうです。スキー板を足に付けたまま歩くことができ、坂を登ることもできるそう。滑る時はかかとを固定しシールを外して、ゲレンデスキーと同じように滑ることができる・・・。
山スキー、北海道では昔から有名なのはやはりニセコ、大雪山の旭岳。最近は、日高山脈の日勝峠周辺や十勝岳周辺も人気があるそうです。やはり、パウダースノーがたっぷりあるところです。スキーの代わりに、スノーシューでスノーボードを担いで登って楽しむ人も多くなってきたとおっしゃっていました。
「ところでバックカントリースキーって最近よく聞きますよね。広い意味だとゲレンデ以外を滑るスキーを指すので山スキーも含まれるんですが、狭い意味だと、リフトを使って登ってゲレンデ以外のところを滑るスキーを指します。」山スキーは、冬山登山、バックカントリーはゲレンデの周辺というイメージ。ただ、最近は広い意味で使うことが多く区分けがあいまいになってきているそうです。
北海道の雪は世界でも有名になり、ニセコや富良野のスキー場が外国人であふれかえっています。併せて北海道でバックカントリーをする外国人も増えているそう。そこで。心配なのは事故。雪崩の危険をはじめ、自分の居場所がわからなくなったり、木にぶつかり怪我をしたり・・色々なケースがあります。遭難する人のほとんどは初心者で装備も不十分な傾向があるそうです。「きちんと冬山技術、装備を身につけた上で楽しんでほしいです。気象の知識や地形図を読む技術は必須ですし、スコップや防寒装備、雪崩で埋まった際に捜すのに役立つ電波送受信機のビーコン、簡易テントなども持って行ってほしいです。」やはり初心者は必ず、経験者と一緒に行くのが良いのでしょう。・・・とはいえ、多くの方にパウダースノーをすべる楽しみを知ってもらいたいとおっしゃっていました。