今回は文化財レスキューのお話し(武束 祥子編)
今回は武束氏が体験した文化財レスキュー、美術館の裏のお話しです。
去年は能登にもいかれたお話しを伺いましたが、去年の12月には川崎にレスキューにいかれたそうです。
?と思いますよね・・・何か災害はあったかな?と思ったのですが、2019年の災害のレスキューが現在も続いているのです。その災害とは、2019年10月12日、東日本台風が発生し、川崎市市民ミュージアムの地階が浸水。施設、収蔵品に甚大な被害が発生したのです。
被災直後から、被災収蔵品の地階収蔵庫からの搬出、応急処置による汚れやカビなどの除去、外部の安全な場所への移送・保管とうのレスキュー作業を開始したそうです。
川崎市市民ミュージアムは博物館と美術館が一緒になっているような施設。漫画の資料とか、まちの資料とかも集めていたので、その数26万点。紙資料がほとんどだとか。そのうち3万点は無事だったそうですが、約23万点が水没したような状態だったそうです。その後排水して収蔵庫に入って、それらを助け出すという作業が4年にわたり行われ、2023年に運び出しが終わったそう。その後、運び出した資料を修復するということをずっと行っているというわけです。
水浸しでふにょふにょ、カビの温床、さらには資料を入れておいたダンボールの箱と資料がくっついてしまった。
それを一体どうするのでしょう?まず、一旦運び出した後に水浸しの状態をなんとかしなければならないので凍結。凍結真空乾燥法というものがあるそう。中の水分を全部凍らせて外に出して乾燥させるということ…