パリの街並みはいつから?(武束 祥子編)
オリンピックでなんとなく身近に感じたパリ。現在はその街並みがとても綺麗なのですが・・・。
今のパリの景観の土台は、19世紀半ばに始まった都市整備<パリ大改造>によりできたもの。近代都市に生まれ変わったパリの姿をとらえた作品を今回はご紹介。
1850年初頭以前のパリは、狭い路地に多層構造の建物がならび、道には光もほとんど届かず、風も感じられない状態だったそう。道は、ゴミや汚物のにおいが立ち込め、住民が捨てたそれらのゴミがセーヌ川に流れ込み、生活水を汚染。コレラなどの病気も流行しているような状態だったと・・・。夜は、オイルランプが所々に設置されるも、ほとんどが暗闇状態。夜にランプをもつ道先案内人などの職業もあったそうです。そんな改造前のパリを描いた”芸術的絵画”はほとんどないのです。
オスマン改造前の風景は、エッチングやダゲレオタイプなどの写真技術を用いた”記録的”なものがほとんどと武束氏。不衛生で病人も多く、また家を建てるの燃えやすい木材を使用したため、火災が頻繁に起こったそう。そんな理由から、ナボレオン三世がロンドンの街を視察した時にその美しさに感動し、「パリの街もこうあるべき」と即座にオスマン知事に話し、ナポレオン三世の構想のもとオスマン知事によるパリ大改造が着手されたのです。狭い道を拡張しつなげ、上下水道の設置、ガス灯の設置、区画の整備(11区から20区に拡張)、区画ごとに公園を増やし、教会なども立て直しを行いました。また、区画を限定し、建物の色や高さを制限し、今につながる統一感ある…