歌川国芳の・・・(武束 祥子編)
2022年4月から金曜日5週目は「かってにアート」と題しまして、作品の鑑賞の仕方の一つとして、もしくはこんな見方もあったのね・・・と思っていただけるような
美術に興味を持っていただける方が1人でも増えてくれたら良いなという思いを込めて、お送りしています。今回は歌川国芳。
歌川国芳は江戸時代後期の素晴らしい浮世絵師。錦絵のシリーズで人気を博し、武者絵の国芳とも呼ばれたそうです。
ほかには風景画、役者絵、花鳥画、風刺画、肉筆画と幅広い作風でも知られています。
ところが彼の?というイラスト的な作品を発見し、間違いでないのか?と思った武束氏。そこから色々と調べてみたそう。
その作品は「荷宝蔵壁」。めちゃくちゃ下手な絵にも見えます。実はここには深い意味が隠されているのです。この時代役者絵を描くことが禁止されていました。
そこで落書き風に描いたものだと言い訳ができると思った彼は、このような形で作品を作ったのです。
まるで壁に落書きをしたような作品、どこかユーモラスで、風刺がきいたものです。
さらにタイトルも「似たから」にかけているそうで、さらに役者は江戸の宝という意味も込められています。
そして、この作品の中央には尻尾が2本ある猫が描かれています。
この猫は、日本橋から京都まで、東海道の宿駅の名前をもじった猫の東海道を描いた「其まま地口 猫飼好五十三疋」では通常通りに描かれています。
歌川国芳は、とても機知に富んだ人だったみたいですね。もちろん技術も優れていて、さらにアイディアマ…